第147回
「帰りは都電荒川線に乗って」
約10Km
あらかわの史跡・文化財
玄琳牡丹屋敷跡
江戸時代後期、ここに佐治玄琳という医者の屋敷があり、文化年間(一八〇四~一八)庭に見事な牡丹を植えていたため牡丹屋敷と呼ばれた。二列の花壇には、夏になると大小色とりどりの牡丹が咲き乱れ、なかには珍しい品種も植えられていた。特に、百輪以上の花を付ける一株が有名で、将軍の御物とされ、毎年詳細な書上を提出していたという。
将軍もたびたびここに御成をしたが、実際に訪れた十万庵敬順は、庭のしつらえを称賛しつつ、「将軍御物の牡丹は、元々上総国(現千葉県)産で、樹の高さは約七尺(約二・一メートル)余あり。左右にへ伸びた枝は約九尺(約二・七メートル)余。根元の幹の太さは二尺一寸(約七十五・二センチメートル)もあり、花はみんな薄紅の八重である」と「遊歴雑記」に書き残している。
出典:荒川区教育委員会
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